川崎市麻生区の心療内科・精神科|新百合ケ丘こころのクリニック|やる気が起きない 朝がつらい 気が沈む 落ち込みやすい

やる気が起きない、朝がつらい、気が沈む、落ち込みやすい

やる気が起きない、朝がつらい、気が沈む、落ち込みやすい

抑うつとは

学校、職場、家庭、いろいろな場面で、余裕の乏しい社会になりました。
負担に苦しみ、疲弊し、傷ついて、こころの活力、エネルギーが落ちてしまった状態、それが「抑うつ」です。

いわゆる『抑うつ』は、「ゆううつ」「おっくう」「イライラ」などがひとによっていろいろと混ざり合っていると言われます。以下は典型的な症状ですが、症状のあらわれかたは人さまざまです。

ゆううつ

気が沈む、落ち込む、楽しい気持ちがもてない、悲しい、など。
自信がなくなり、悲観的になり、悪い方向にしか考えられなくなる傾向があります。
さらに悪化すると死にたい、消えたい、とさえ考えるようになることもあります。
抑うつで一番怖いのは自殺です。
ですから抑うつは専門的な治療を受ける必要があるのです。

おっくう

うつのとき、気持ちだけではなく、こころと脳の活動全体が低下します。
やる気がおきなくなり、興味や意欲がわかなくなります。
疲れやすくなり、考える作業が進まなくなります。
頭が働かない、仕事が進まない、ものごとが決められない、効率が悪くなった、と話される方も少なくありません。
体がだるく、手足が鉛のように思い、と感じるかたもいます。
典型的な抑うつは、生命活動に影響する、と言われてきました。
食欲などがなくなり、味が感じられなくなることがあります。

いらいら

抑うつのとき、ひとはただ沈んでいるだけでもありません。
こころは絶えず焦っていて、休まる時がありません。じっとしていられない方もいます。
いらいらが強い状態は非常につらいもので、自殺の危険が高いと言われています。

睡眠障害やさまざまなからだの症状

抑うつの症状は、こころだけでなく、からだにも現れます。
いい睡眠がとれない、途中で目が覚める、夢ばかり見て寝た気がしない、など、睡眠障害はうつのほとんどの人に見られます。
睡眠にも脳の活力が必要なのですね。ただ過眠になるかたもいます。
ほかにも頭痛、肩こり、動悸、息苦しさ、腹部の違和感、など、全身に症状は現れます。

ほんとうは難しい抑うつの「見立て」と治療

うつの典型的な症状を知っていれば、とりあえず抑うつの診断は経験の浅い治療者でも可能です。
しかも日本では、もう何十年も前に、定番と言える治療法が確立しています。
休養と抗うつ薬の取り合わせ、というのがそれで、新しい抗うつ薬が開発された現在もこのやりかたは定番の位置を占めています。
しかし一方、この治療法でよくならない抑うつの比率が非常に高くなっているのが現状です。
ある研究ではよくなる率がせいぜい6割。なぜこんなことになっているのでしょうか。
もちろん、以前より、生きていく環境が過酷になってきている、ということはあるかもしれません。
しかし、治療の側面で考えると二つの要因が考えられます。

第一に、抑うつといっても、実はいろいろなタイプのうつがあるということです。
そのタイプによって薬も治療法の選択も異なってくる可能性があります。

つまり、うつだから抗うつ薬を出していればいい、最近ですと認知行動療法を提供すればいい、というわけにはいかないのです。

したがって、抑うつのタイプ見分け、適切な治療法を選択するためには、治療者はお話に耳を傾けながら、症状のニュアンスを細かく読み取らなければなりません。

第二に、そもそも抑うつのありかたはそのひとそのひとで異なるということです。
そのひとの抑うつを深く理解し治療につなげるには、症状だけでなく、そのひとのこころのありかたや「ひととなり」、そして周囲との関わり、などを深く理解できることが望ましいのです。

この二点が見極められた時、それらを総合して、ひとりひとりの抑うつのもとについての「見立て」ができあがります。この「見立て」によって、治療の方向づけ、治療法の選択がしやすくなります。

この「見立て」を行い、よりよい治療を提供することは、精神分析に通じた治療者が最も得意とするところであり、わたくしが目指すものでもあります。