眠れない
不眠は、一般的に4つに分類されます。
- 入眠困難 … 寝つけない
- 中途覚醒 … 途中で目が覚める
- 早朝覚醒 … 朝早く目が覚める
- 熟眠障害 … 眠りが浅く、熟睡感が得られない。
この分類は、不眠の診断、鑑別の第一歩となります。
そしておおむね不眠の種類に応じ、作用時間の異なる睡眠導入剤を使い分ける、と説明されます。
しかし、将来的に服薬をやめていくための見通しなく、睡眠導入剤を続けるのは好ましくありません。
睡眠導入剤の最大の欠点は依存性です。一定期間服用し続けると、服薬を中止するのが難しくなります。やめようとすると眠れなかったり離脱症状が現れたりしてやめられなくなるのです。これは「常用量依存」と呼ばれています。
また長期に服用することで、かえって深い睡眠がとりにくくなることもあります。
さらにひとによっては情緒的に不安定になりやすくなる場合もあるのです。
睡眠導入剤(と同じ種類である抗不安薬)は、日本では従来、安全で副作用も少なく、依存性もない安心して服用できる薬として処方されてきた長い歴史があります。
そのため、日本はこの種類の薬の処方が世界の中でも突出しているのです。
たしかに非常に役に立つ薬なのですが、現在、治療者が慎重に、計画的に処方しなければならないことがわかっています。
不眠に処方する薬は睡眠導入剤だけとは限りません。
海外では、最初に処方されるのは必ずしも睡眠導入剤ではないそうです。
また睡眠習慣などもよく吟味しなければなりません。
不眠もまず、1.の4分類だけでなく、どの様な種類の不眠かよく検討する必要があります。
それによって、どのような方法が、解決に役に立つか、ご一緒に相談することができるのです。